したひら鮮魚店の移動販売

したひら鮮魚店では2015年から能登町内山間部を中心に月曜日から木曜日まで週4日、移動販売をしています。その移動販売を紹介いたします。

過疎化で人口減少している中での移動販売開始

能登町は、地方でよくみられる高齢化・過疎化が非常に進んでいる町です。したひら鮮魚店のお客様も高齢化し、若い人たちの代になると地元スーパーの利用が増えてきました。また、昔はよくご利用いただいていた能登町の山間部のお客様も来店することが減ってきました。

昔の行商みたいなことをしてみるか、みたいな話もたびたび出ていました。そんな中、『小規模事業者持続化補助金』といわれる国の補助金制度を知って移動販売車を購入しました。冷蔵機能が付いており、夏場でも安心してお客様に選んでいただいてます。
しかし今まで移動販売をしたことがありませんでした。そのため、地元で移動販売を魚屋さん、石川県白山市の移動販売をしている豆腐屋さんのところに移動販売について教えていただきました。

昔でいう行商と現在の移動販売はどんな違いがある？

昔でいう魚屋の行商は、捌いていない魚をお客様に選んでもらってその場で捌く、またはそのままの状態で販売して回るスタイルでした。今でもそういう魚屋さんはいらっしゃいます。したひら鮮魚店は、冷蔵機能があり陳列棚が入っている箱付の軽トラックで移動販売しています。魚も1人前のお刺身になったものや、切り身、下処理済みの鮮魚、手作り惣菜、干物など調理の手間がかからないものが並んでいます。

移動販売のお客様の多くは、朝からずっと畑や田んぼの作業をしている方ばかりです。魚を捌ける方は多いですが疲れているためか「捌いてあるし楽でいいわ」と喜ばれています。

交通手段が限られている人は買い物が本当に大変

数年間、移動販売をしていて感じたこと。それは、自分たちが思っている以上に買い物に困っている人は大変です。車を運転できない方は1日数本しかない路線バスかタクシーを使って町に行きます。最寄りのバス亭まで歩いて20分以上かかります。そこから買い物を済ませてまたバスに乗り、最寄りのバス停から20分以上かけて重い荷物を持ったまま歩きます。
行商のお客様の多くがお年寄りの方や少人数の方です。冷蔵機能付きの軽トラックで1軒1軒訪問して販売することで、これから先も高齢化が進んでいくであろうこの町の食卓を支える力になれればと考えています。